熊谷市で街の活性化と農福連携事業が担う日本の社会問題を考える。

熊谷市で街の活性化と農福連携事業が担う日本の社会問題を考える。

埼玉県熊谷市

1st

2022.10.17(月)~
19(水)

2nd

2022.12.05(月)~
07(水)

3rd

2023.02.14(火)~
16(木)


▼ 若手芸人「イデケン」が現地取材に行ってきました!
受入れ農家さんの様子は動画でチェック!




熊谷市での研修の内容

■ 開催日程
1回目:10月17日(月)~19日(水)(稲刈り体験と有機農業の勉強会)
2回目:12月5日(月)~7日(水)(埼玉復興さんにて農福連携に関わる農業研修)
3回目:2023年2月14日(月)~16日(水)(武蔵ワイナリーさんでのワイン用ブドウの選定他)

+来年度5日間での課題解決の実践

■ 体験できること
・農福連携の最先端の取り組みを学べる
・有機農業について学べる
・ワインの生産体験ができる
・熊谷でのまちづくりの取り組みを学べる
・移住や新規就農の支援について自治体の方から直接話を聞ける

受け入れ農家さん
THE PUBLIC(農泊施設)
埼玉福興株式会社(Social Firm)

武蔵ワイナリー

応募条件
60歳未満で、農村の課題解決や魅力発信のお手伝いをできる方で、今年度全3回の日程と来年度の5日間の研修に参加可能な方。

■ こんな方に来てほしい!
・農福連携(Social Firm)の取り組みに興味のある方
・熊谷市での就農やまち作り、地域活性化に興味のある方
・都心に近い環境で「農ある暮らし」を体験してみたい方
・自然に触れ合いながらワーケーションをしたい方

■ 参加費用
参加費は無料。現地までの交通費・宿泊費は全額補助となります。

※食事を確保する場所が遠いなどの場合がある為、こちらで予め用意する昼食代等として事前に1万円(税込)を頂きますが、農業体験実施後、最終精算時に余剰分は交通費の振り込みと合わせてお返しします。

※交通費は後日精算となります。
事前にご自宅から集合場所までの経路を確定させていただき、農業体験実施後に半券や領収書等の必要書類を提出後、交通費を口座振り込みにて返金精算となります。




埼玉県熊谷市ってどんな町?

人口約20万人、年間の観光人数は500万人近くにもなる、埼玉県北部に位置する熊谷市。


夏の最高気温を記録する街として有名ですが、農業産出額が県内第2位、商品販売額県内第3位、製造品出荷額県内第4位と、経済的な一大拠点としても有名な街なのです。


熊谷での農業は米や麦の二毛作が盛んで、小麦の生産量はなんと県内1位を誇ります。
それ以外にもイチゴ、ブルーベリーなどのフルーツや、旬の野菜も多く生産しています。
埼玉三代銘菓の一つにもなっている「五家宝」は、自然食材としても有名です。


桜の名所もあり、春には「さくら祭り」、夏には「熊谷うちわ祭り」、冬には「酉の市」など、季節毎に行われるイベントに県内外からたくさんの観光客が訪れます。


熊谷には立派な桜並木があります。

そして熊谷は二大河川の「荒川」と「利根川」が最も隣接する地理であり、それによって肥沃な土と、豊かな文化が育まれています。
この他にも東西軸に小河川が流れ、用水路からは市域を網目のように水が流れます。
この豊かな資源によって、自然に負担をかけない農業が多く生まれ、そして同時に独自の文化も生まれて行った経緯のある街でもあります。


そんな魅力ある熊谷市では、街の活性化と日本社会が抱える問題に真摯に向き合っている方々と出会えました。
まだ課題もありますが、どれも前向きに考え活動されているので、ぜひその力強さを感じる為に参加してみてください!



受入れ農家さんのご紹介:1件目「有限会社 PUBLIC DINER」

まずは熊谷駅から車で10分ほどの場所にある、のどかな民家が立ち並ぶ場所にやって来ました。
こちらでは『有限会社 PUBLIC DINER』代表取締役の【加賀崎 勝弘(かがさき かつひろ)さん】にお話を聞いていきます。


飲食店を多数経営する加賀崎さん(d design travel 特別号より抜粋)


加賀崎さんは飲食店を8店舗経営していて、食堂・喫茶店・パンや惣菜・ラウンジなど様々な種類のお店があります。
そんな加賀崎さんと会ったのが、農林水産省の事業で作ったこちらの農泊施設、
「THE PUBLIC」です。





レストランと農泊の複合施設です。


こちらでは自然農法で育てられた農作物を提供しながら、
味噌作りや梅干し作りなどの体験プログラムも行っています。
自然豊かで静かな時間が流れる田舎町にこんなオシャレな農泊施設があるなんて驚きですね。
ずっと居たくなってしまうような居心地の良さでした。



軒先では様々なハーブ類が育てられていました。



なぜこの地で飲食店をやっているのか

加賀崎さんはどうしてこの場所で無農薬野菜を提供できるレストランを営んでいるのでしょうか。
それには自身の思いの他に、日本の社会問題を解決する為の大きな理由がありました。

キッカケは2018年に熊谷市で開催されたオーガニックフェス。
県内外から数100店舗が出店し、音楽やトークショーなど五感で楽しめる催しでした。
このフェスの総括プロデューサーであった加賀崎さんは、地域の活性化や社会問題解決に取り組む、県内63市町村のキーマン達に数ヶ月かけて面会。
様々な協力をしてもらいながら見事成功させたのです。


「熊谷圏オーガニックフェス2019」のパンフレットより抜粋

イベントは成功しましたが、今後はこのような年に一度のイベントで終わらせるのではなく、日常的にオーガニックに触れていきたいという思いのもと、無肥料無農薬の自然栽培に取り組み始めたのです。


そして「THE PUBLIC」では、2件目に出てくる『埼玉復興株式会社』さんとの協力のもと、耕作放棄地の活用や、安心安全の野菜を提供できる環境、そして自然栽培をもっと広く知ってもらう為の講座なども企画運営しています。
そして農副連携事業の一環として、障害を持つ方々に働いてもらうことによって、その方達の工賃アップや、社会的な自立への場所として一役を担っています。



ここでの課題とは?

「ここ熊谷には、溜池農法といって自然の雨水から得られる水で田んぼもやっています。
そんな豊かな土地で自然栽培に取り組んだり、同じ志を持った埼玉県のキーマンたちの活動をもっと広めて、人との有機的な繋がりを増やしていきたい。」


あらゆる課題に対して、経営者目線から厳しくも心の通った事業を行う加賀崎さんは、最後にそう語ってくれました。
農業は儲からない、ダサい、キツい、仕事にならない。
そんな常識を覆す彼らの活動を是非近くで体験してみてください。


自然栽培を行っている畑も見事でした。




受入れ農家さんのご紹介:2件目「埼玉福興株式会社」


お次はこちら!
熊谷駅から車で約20分の場所にある、農副連携事業を行う『埼玉福興株式会社』です。


青々とした見事な畑が広がっています。



先進的な農福連携事業の取り組みをしている背景とは?

元パティシエで、現在は”フードアクティビティディレクター”として活動している【武井 一仁(たけい かずひと)さん】と、”藍染のアップサイクル”を行なっている【猪爪 麻衣子(いのつめ まいこ)さん】にお話を聞いてきました。


ここでは農副連携という枠組みで働く人達がいるのですが、取材をしてみるとヨーロッパの文化を取り入れた、先進的な取り組みをしている事がわかりました。
まずここでは日本でいう農副連携にあたる「グリーンケア」と言う農法を行なっています。
グリーンケアとは、植物をケアすることによって自身もケア出来ると言う概念です。
障害や引きこもり、シングルマザーなど、様々なバックグラウンドを抱えた人達が農業をする事によって、耕作放棄地の解消や後継者不足の解決になり、同時に自分が抱える問題も解決していっています。


そしてそんな人達が活動する場を「ソーシャルファーム」と呼びます。
この職場は、自立した生活をしていく過程として設けられている場になっています。


取材中も皆さん作業に忙しそうでした。


しかしこの場は他の農福連携事業と少し違っていて、「障害者」の就労や生きがいを生み出すという枠組みだけではありませんでした。

何かしらの診断名がついていなくても、今の社会には生きづらさを抱えている人が増えています。
社会に順応することができずに、そんな自分を責めて心を病んでしまう人もいます。
障害者・健常者という2択ではなく、一人一人の立場や環境を理解して交わっていける環境がこの社会には必要だと、自身の経験から武井さんがお話ししてくれました。

30年もパティシエという厳しい世界で戦ってきて、社会の生きづらさを感じたからこそ、ここはそんな場を必要としている人たちの貴重な受け皿でありたいと想いを語ってくれました。



藍染に秘められた強い想い

その想いに共感して同じく活動をしているのが、猪爪さんです。

彼女はベルギー留学でのホストファミリーとの出会いによって、血の繋がりがなくとも家族になれる事や、身近な人を大切にする生活スタイルに感銘を受けて、帰国後もそんな暮らしを日本で実現したいと活動してきました。
その活動の中で武井さんと出会って意気投合。
現在は藍染を通して、人との繋がりを作ったり、社会問題に対して挑戦しています。

猪爪さんのような20代の女性が、一見農副連携と関係のないように見える藍染の活動をする事によって、今まで関わってこれなかった人達との繋がりが増えていっています。
そしていずれは「農副」という言葉自体をなくして、どんなバックグラウンドを抱えた人でもその人自身の"心境"を作るための環境作りをしていきたいと話してくれました。


笑顔いっぱいで藍染の魅力を教えてくれた猪爪さん。

そして今後は藍染だけではなく、「食べる藍」も広めていきたいようです。
藍とはもともと中国から薬草として渡ってきたように、栄養価が高く、常食しても体に負担がない食材なのです。
味に特徴がなく、他の食材を生かすので、藍を使ったスイーツなども研究中との事。
緩やかにデトックスしてく効果もあるので、女性や健康意識の高い人たちにも注目される食材になりそうです。
種の販売もしているので、是非育ててみてください!



熊谷での体験内容は?

有限会社 PUBLIC DINERにて

こちらでは旬の農作物収穫体験や、無農薬のワイン作りなどを体験できます。
さらに飲食店8店舗と農泊施設を経営している加賀崎さんに、リアルな経営者からのお話を聞いたり、自然農法について実践形式で体験できる場もあります。


こちらの田んぼも無肥料無農薬栽培です。

まだまだ市場が小さい、自然栽培で育てられた農作物たち。
日本でももっと身近に、多くの人が手に取れるような環境作りのために、一緒に課題解決をしていきましょう。



埼玉福興株式会社にて

こちらでは、長年取り組まれている農福連携農業 - Green Care - について勉強させて頂ける予定です。
農福連携事業が担う日本の社会問題を見つめ、どんな背景を持った人も自分らしく生きていけるような環境作りについて熱くディスカッションしていきます。

社会の多様化、情報の混雑化、目まぐるしく変わる環境の中で、違和感や生きづらさを感じている人も多くなって来ています。
決して「障害」と名の付く人が特別なのではなく、誰もが持つ心身の不調や将来への不安を一緒に解決していきましょう。